基幹理工学部要項2025
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1. 単位制・ 科目登録2. 学科目系列3. 進級・卒業・ 学位4. A群科目5. B群科目6. C群科目7. 学科別案内 (C群科目)8. D群科目9. 他学部聴講10. 教職免許11. 大学院授業科目の 先取り履修制度12. 基幹理工学部 副専攻制度13. 成績の表示Ⅰ 基幹理工学部についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分 数学 応数 機航 電子 情報 通信 表現目次に戻る63情報通信学科では,ネットワーク技術と情報処理技術の融合技術領域である情報通信技術(ICT,Information and Communications Technology)の学問領域において,基礎的な専門知識を修得した上で,時代に即した高度な専門知識を有する通信分野及び情報処理分野の専門家を社会に輩出することを目的としている。様々な産業分野に必要とされる高度な知的活動を支える必須技術として,情報通信技術は現代社会に欠かせない技術領域となっている。大容量のブロードバンド通信・放送ネットワーク等の社会インフラに加えて,スマートフォンやクラウドサーバ,家電,自動運転車,ドローン,住宅,工場,環境センサー等のあらゆる“モノ”同士が接続するIoT(Internet of Things)環境は,高度な通信技術により支えられている。また,これらを介して収集されるデータは,情報処理技術を用いて効率的かつ効果的に分析することで,様々な分野で活用されている。その結果,情報通信技術は,教育,交通,医療,金融,労働,農業,エネルギー等,あらゆる社会分野に影響を及ぼし,今や我々の生活に必要不可欠な技術となっている。情報通信技術は加速的に発展を続けており,5G/6G移動通信技術に代表される超広帯域・超低遅延ワイヤレス技術や,IoTデバイス等を用いたエッジコンピューティング等の分散処理技術,深層学習を用いた画像・映像・音声・言語処理等の人工知能(AI,Artificial Intelligence)技術,量子コンピューティングや量子通信・暗号技術等,新たな技術革新が世界中で起こっている。さらに,このような情報通信技術の革新は,様々な社会的課題を解決する鍵ともなっている。例えば,情報通信技術を活用し,場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現するスマートワークは人材不足の解決策となる。スマート農業は,天候情報や生育データを用いて超省力化や生産物の品質向上を可能にすることで農業問題を解決する切り札の一つとなる。また,交通インフラやエネルギー消費を効率化・高度化することで都市問題を解決するスマートシティも期待されている。そして,こうした革新的な情報通信技術に支えられるシステム・インフラの安全・安心を実現する基盤技術の確立が急務である。これら情報通信技術の長足の進歩を支えているのは,半導体技術,記憶装置技術,ネットワーク技術,情報処理技術,数理工学等の要素技術の地道な積み重ねであり,決して基礎学問自体が大きく変化している訳ではない。したがって,情報通信学科では,情報通信応用分野に重点を置きつつ,情報通信の基礎教育にも十分に配慮し,グローバル競争社会の中で本質を見極めることができる人材の育成を目指している。情報通信学科では,情報通信に関わる時代の変化に依存しない普遍的な学問領域と,時代と共にダイナミックに変化しうる応用的な学問領域とをバランス良く体系的に修得することを学生の到達目標として設定している。情報通信学科では,情報通信技術を,情報システム,通信ネットワーク,メディア・コンテンツの3分野に分け,それぞれの分野をカバーするカリキュラムを提供している。具体的には,2年次からの専門必修科目では,「回路理論」,「信号処理」,「情報理論A」,「通信理論」,「マルチメディア工学A」といった3分野にまたがる基礎的な科目を履修することとしている。また,情報通信技術の原理や先端的な応用事例を実際に自分の目で,耳で,手で確認すべく「情報通信実験A/B」を設置している。さらに,4年次には,先端的な情報通信に関する知識の習得だけでなく,問題発見・解決能力,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力を養うべく,卒業論文A/Bを設置している。一方,選択科目としては,各分野に特化した専門性の高い科目と,3分野に跨がる分野共通科目を設置している。各分野における選択科目の例として,情報システム分野では「ディジタルシステム設計」,通信ネットワーク分野では「無線通信技術」,メディア・コンテンツ分野では「マルチメディア工学B」等を設置している。また,分野共通科目の例として「情報セキュリティ基礎」が設置されている。さらに,AIに関係する技術を学ぶ科目も充実している。分野共通科目の多くは,本学科で学んできたことが現実の情報通信ネットワークあるいはサービスにどのように活かされているのかを学習することを主眼にしており,産業界及び官界から講師を招いて開講している。大学院においては,学部で学んだ内容をさらに発展させた先進的なカリキュラムを提供している。基幹理工学部では,グローバルに活躍する高度な専門知識を有する人材を育成する「学部大学院一貫教育」情報通信学科

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