基幹理工学研究科要項2025
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14数学応用数理専攻の目的は,純粋数学・応用数学を包含した意味での数理科学の多様な分野にあらわれる問題を数学的に研究することにある。この分野の基礎的段階では,学生各自のテーマにおいて必要となる基本的概念についての理解を深めなければならない。次の段階では,培ってきた理論や方法をそれぞれの問題に応用する能力を養わなければならない。さらに高いレベルの段階では,数理科学の未知の分野を開拓したり,未解決の問題にチャレンジするなどの研究活動を行うことになる。数学応用数理専攻は数理論理学,代数学,幾何学,解析学,現象数理,計算数学,統計科学の7部門から構成されている。学生はいずれかの部門に所属し,各部門の推奨科目を中心に履修科目を選択する。ただし,学問の性格上それぞれの部門は独立しているわけではなく,異なる部門がお互いに有機的に関連している。したがって,学生諸君も部門にとらわれることなく,バランスよく履修科目を選んで学習することが望ましい。修士課程においては,講義のほかにセミナー形式をとる演習科目が設置されており,指導教員が担当する演習科目は必修である。この演習は数学応用数理専攻の根幹をなすもので,学生は十分に準備をして臨まなければならない。出席者の間での研究討論を通して,テーマに対する理解を深めることが大切である。博士後期課程の学生は専門研究者として,主体的に研究活動を行うことができるような研究能力・姿勢を養うこととする。各部門の概要◆数理論理学部門数理論理学は伝統的には集合論,帰納関数論,モデル論,証明論に分かれている。このうち帰納関数論はコンピュータの基礎理論とつながり,その結果証明論の一部もコンピュータの関連部門とつながりを持ってきている。一方,集合論は純粋数学の一分野として発展してきており,無限を対象とする純粋数学のほかの分野への応用も見られる。当部門では数理論理学とその応用に関して研究を行っている。◆代数学部門代数学部門における研究テーマは現在次のものからなる:代数的整数論,不定方程式論,保型函数論,可換代数学,ホモロジー代数学,数論的幾何学,幾何学的コード理論,代数幾何学,代数的組合せ論。◆幾何学部門幾何学部門は,「多様体上の解析学」と「トポロジー」の二本の柱からなっている。第一の柱である「多様体上の解析学」は,相対論と場の量子論の影響のもとで長足の進歩を遂げ,現代数学の中核ともいうべき巨大な分野に成長している。本部門における研究テーマは現在次のものからなる。(a)微分幾何学,(b)リー群の表現論,(c)幾何学,表現論,組合せ論,(d)双曲幾何学・複素解析幾何学である。もう1つの柱である「トポロジー」は,現在,3次元多様体論,力学系の理論を中心として新しい展開を見せている,活気あふれる分野である。本部門における研究テーマは,(a)結び目の幾何学,(b)力学系,(c)3次元双曲多様体論,(d)応用特異点論,である。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文7. 先取り履修8. 後取り履修3. コア科目 推奨科目9. 実体情報学 コース10. 数物系科学 コース要項11. PEP卓越大学院 プログラム12. 技術経営リーダー 専修コース6.その他の科目5.共通科目4. 専攻別案内数学応数表現工学機械・航空電子物理情報・通信材料科学13. 教職免許Ⅰ  基幹理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 成績の表示15. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る4 各専攻の学科目配当表数学応用数理専攻

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