15◆解析学部門解析学部門は,関数解析学,実関数論,関数方程式論を主要な研究対象としている。関数解析学の研究では,関数環論の複素解析への応用,確率論に現れる関数空間の研究など,また実関数論では,実ハーディ空間などの種々の関数空間や補間理論の偏微分方程式への応用などを研究する。関数方程式論では,偏微分方程式,特に非線形のものが中心課題になっており,取り扱う問題は非線形発展方程式,最適制御問題,双曲型方程式,放物型方程式,楕円型方程式,流体方程式系,変分問題等非常に多岐にわたっている。従ってこの分野を研究する学生は鮮明な問題意識を持って,幅広い選択肢から研究テーマを選ぶ必要がある。研究の手法は,オーソドックスな微積分から関数解析,非線形半群論,変分問題,写像度,粘性解,フーリエ解析,分岐理論,計算機援用解析など多種多様であり,類似のテーマを持った教員間でも,研究方法や手段はそれぞれ異なっている。◆現象数理部門物理学,化学,数理生態学など,自然科学,工学に現れる諸現象を検討し,その中に新しい数学の芽を発見し,それを新たな数学として育てることを目的とする。具体的には非線形系の数理 ― 反応拡散方程式,非線形波動方程式など ―,相対性理論,フラクタル構造などの物質の領域構造のトポロジーなどを研究対象としている。◆計算数学部門計算数学部門はコンピュータを援用して数学や物理学における様々な問題を解析する場合に有効となる手法と理論(基礎から応用まで)とその応用を主な研究対象としている。◆統計科学部門現代は不確実性の時代であるとしばしば言われている。一見ランダムに見える現象の背後に潜む一定の法則を見いだし,それを意識的に用いて合理的かつ有効な意志決定を行うのが数理統計の目的である。統計科学部門では偶然を支配する「確率」の基本性質,および社会・自然における様々な現象に対応した確率現象のモデル(確率過程)の構成と推測ならびにその応用に至るまで測度論的基礎を考慮しつつ展開する。さらに各種の統計データが与えられているとき,それを用いて有効な情報を抽出し,統計モデル選択,未知の確率分布に関する推定,検定,あるいは将来の事柄の予測を行う統計データ解析の基本とその応用について数理的根拠を明確にしつつ展開する。学部では理論の厳密性は第二として入門的な事柄を教えるのに対して,大学院では基礎から体系的に内容を理解できるように教育研究指導を行う。研究テーマとしては,時系列解析,多変量解析,漸近理論,決定理論,ベイズ推測,現代確率論,統計的推測に基づいた金融工学などの分野が含まれる。【修士課程】数学応用数理専攻履修方法1.指導教員が担当する演習科目は,必ず履修しなければならない。2.演習科目は13単位以上修得しても,その分は修了必要単位数に算入しない。3.推奨科目の履修にあたっては,自己の所属する部門の指示に従うこと。4. 共通科目履修の上限は8単位である。9単位以上修得しても,超過分は修了必要単位に算入しない。また,次の共通科目は履修できない。 ・現代数学概論A,B,D,E ・解析の基礎数学1,25.研究科が定める研究倫理教育を受講しなければならない。※これらの科目が本専攻設置の講義科目と合併している場合,本専攻設置の講義科目としては履修できる。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文3. コア科目 推奨科目4. 専攻別案内数学応数機械・航空電子物理表現工学材料科学情報・通信5.共通科目6.その他の科目7. 先取り履修8. 後取り履修9. 実体情報学 コース10. 数物系科学 コース要項13. 教職免許11. PEP卓越大学院 プログラム12. 技術経営リーダー 専修コースⅠ 基幹理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 成績の表示15. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る
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