34電子物理システム学専攻は,原子,分子を基本素材とした自己集積,自己組織化による高次構造形成,あるいは超微細加工技術によるナノメータからマクロなサイズに至る機能システムの実現のために,電子と光を媒介とする機能発現,機能集積によるシステム化,という新しい学術分野を開拓する。さらに,これらの教育と研究を通して,ものを通じての論理構成能力の養成,ものつくりのセンス及びシステム的思考のセンスの体得,多角的視野の獲得,柔軟な思考能力と進取の精神の涵養を行う。本専攻は,電子と光の高度な技術活用によって経済の活性化を期する,との強い社会的要請に基づいて設立された。エレクトロニクス,フォトニクスは21世紀における産業の中核といわれ,多くの産業分野が電子と光を意識することにより技術の究極の高度化を図っている。また,エレクトロニクスおよびフォトニクスを,ハードウェアの理解に立脚しながらシステム化し,そしてネットワーク技術へと昇華させることにより,より豊かな社会の構築に大きく貢献することが期待されている。これらの要請に応えるために,電子物理システム学における世界的水準の技術者ならびに研究者を育成する。基幹産業に関わる多くの企業がエレクトロニクス,フォトニクスを意識することによりもたらされる技術の高度化に注目し,電子と光を対象とした素材やデバイスの開発とそれらのシステム応用を推進している。また,大規模集積回路開発の延長線上にあるシステムオンチップはその活用の範囲に広がりを見せている。さらに,これらの機能のネットワークによる共有化は豊かな高度情報化社会の構築に不可欠となっている。したがって,電子物理システム学の知識と素養を身に着けた修士課程修了生ならびに博士後期課程修了生は,電気・電子・通信・素材・自動車・航空宇宙等の企業,官公庁,各種教育研究機関など多様な分野において活躍することが想定される。各分野の概要◆基礎物性部門凝集体の物性に関する基礎的研究を行うことを目的としている。量子物理,固体物理,熱学,統計力学などを専門とする教員によって構成されており,本部門では,原子,電子,光子から連続体までのマルチスケールにおける物性研究を進める。本部門の具体的な研究テーマは,以下の通りである。○主に低次元材料を対象とし,固体物理学と結晶学に基づいた基礎的な研究を行う。特に,表面や界面の原子レベルの構造と物性や電子状態の関係について,高分解能透過型電子顕微鏡観察,角度分解光電子分光測定,第一原理計算,電子物性測定などを用いて明らかにする。○量子物性に関する理論研究。特に,量子物性と量子情報の融合理論に関する研究を行う。○量子力学を用いた固体の諸物性に関する基礎的研究。特に,原子レベルでの欠陥や添加元素が固体の諸物性に与える影響に関する研究を行う。○高温における物質の物理化学,特に熱力学データの測定,反応拡散現象,混相流体の挙動などの研究を行う。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文7. 先取り履修8. 後取り履修3. コア科目 推奨科目9. 実体情報学 コース10. 数物系科学 コース要項11. PEP卓越大学院 プログラム12. 技術経営リーダー 専修コース6.その他の科目5.共通科目4. 専攻別案内数学応数表現工学機械・航空電子物理情報・通信材料科学13. 教職免許Ⅰ 基幹理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 成績の表示15. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る電子物理システム学専攻
元のページ ../index.html#44