44 情報理工・情報通信専攻では,社会活動や科学技術を推進するためのキーテクノロジと位置付けられる情報技術と通信技術を融合したICT(Information and Communications Technology)系学問領域を研究・教育し,高度な専門知識を有する学生を社会に輩出することを目指している。ICT系学問領域は,著しく進展しつつあるネットワーク及びコンピュータ技術を背景に,情報関連の学問分野の融合と共に,情報に関する新しい学問領域と産業を生み出し,社会変革をももたらしている。情報技術の適用分野も,コンピュータや通信のアプリケーションの拡大に伴い,自動車,家電,電力,交通,医療,金融,コンテンツ制作等,ありとあらゆる社会インフラや社会活動に影響を及ぼしている。加えて,情報技術は世界の持続的発展のために必要不可欠な技術分野であることから,国家,企業,大学,研究所等の間の研究開発競争は一層熾烈を極めている。 このような状況に対応するため,情報理工・情報通信専攻では,情報通信,情報科学,情報工学の3つの学問領域を基軸とし,グローバル社会の視点に立った,新しい情報教育研究の推進を行っている。 情報通信においては,社会生活のインフラストラクチャを構成する大規模な通信・放送ネットワークの整備と,多種多彩な社会の要請に応えるシステムの実現が強く求められている。通信・放送ネットワーク構築の基盤をなす情報通信に関する学問領域は,近年,社会の要請に伴い急速に拡大しており,かつ世界的な研究の水準も著しく向上している。また,ICTが社会生活に及ばす影響を熟慮し,情報通信倫理に裏付けされた研究分野の方向付けの明確化が必要ともなっている。 情報科学では,知識情報処理,ソフトウェア工学,コンピュータ・アーキテクチャなどがコンピュータの発展と利用の推進力となっており,これらの技術は適用分野の量的拡充のみならず質的変革の時期を迎えている。すなわち,単なるハードウェアの高速化,大容量化あるいはソフトウェア技術の高度化だけでは解決されない根源的問題に直面している。例えば,人工知能に代表される知識処理に関する新たな研究分野の発展が期待されているが,この研究領域を発展させるには,従来の計算機科学の枠組みを逸脱した新たな発想と理論に基づく情報処理に関する研究が不可欠となっている。 情報工学は,情報科学と情報通信に関わる技術領域の研究と教育を担う分野であり,理論の体系化と工学への応用に関する基礎研究が主体となる。先端的研究の推進は言うまでもなく,ものづくりを重視した幅広くかつ深い見識を有する人材育成の実現を目標としており,このためには理論と応用の専門家集団による研究,教育への集中的な取り組みが必要とされている。 このように,情報通信,情報科学,情報工学は,急速な進展を遂げており,先端的な研究,教育環境を維持するためには,これら密接に関係する領域の協調無くして実現することは極めて困難である。しかも,一方での成果が基礎となって他方の発展を期するという,輪廻的な展開が必須であることが認識されている。そのため,本専攻では,情報理工分野と情報通信分野の2分野を設け,情報理工分野にはコンピュータ・ヒューマン・インタラクション部門,情報ネットワーク部門,高度計算機部門,ソフトウェア部門,情報アーキテクチャ部門の5部門を設置し,情報通信分野には情報システム部門,通信ネットワーク部門,メディア・コンテンツ部門の3部門を設置し,それら分野と部門の有機的なつながりにより,情報通信,情報科学,情報工学の統合・融合を目指している。 国内外において,ICTは成長のエンジンとして,ICT関連の人材需要は高まるばかりである。とりわけ,高度なICT技術を取得した人材は国内外を問わず需要が非常に高く,情報理工・情報通信専攻はその社会的な需要と要求に即した人材育成を行う。博士後期課程修了者については,電気メーカ,通信事業者などの研究所,並びに国の研究機関に加えて,大学などの教育機関での活躍が期待できる。また,修士課程修了者についても,上記のような研究機関に加えて,ソフトウェア開発企業などで新しいソフトウェアの開1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文7. 先取り履修8. 後取り履修3. コア科目 推奨科目9. 実体情報学 コース10. 数物系科学 コース要項11. PEP卓越大学院 プログラム12. 技術経営リーダー 専修コース6.その他の科目5.共通科目4. 専攻別案内数学応数表現工学機械・航空電子物理情報・通信材料科学13. 教職免許Ⅰ 基幹理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 成績の表示15. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る情報理工・情報通信専攻
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