59材料科学専攻では,我が国の基幹産業である鉄鋼,非鉄金属などに関わる学問体系を追求し,そこに数理的な視点や次世代材料に関わる視点も加えた次世代基幹材料産業分野の研究開発に関わる人材を育成・輩出することを目的としている。すなわち,本専攻では,熱力学,結晶学,構造力学などの材料学の基本学理の習得を基礎として,ミクロ材料学から大規模構造体に関わるマクロ材料学まで,トポロジーに立脚した階層横断的な視点に立ち,計算ホモロジーなどを用いた数理計算材料学,次世代スーパーコンピュータによる材料シミュレーションの最適化やビックデータ解析,宇宙での材料製造・材料実験や極限環境下での材料開発を可能にする,数理情報的計算実験や革新的な材料試験法など,材料学の先端的研究開発能力を持つ人材の教育と研究を行う。本専攻では,大きな学問分野の枠として,我が国の産業の根幹である鉄鋼,非鉄金属をはじめとする基盤材料産業への人材輩出のために,基礎から先端材料研究までを目指す「基盤材料学分野」を本専攻の基礎部門に据える一方,次世代基幹材料産業の研究開発を支える「先端材料学分野」を設置し,研究指導,演習を2分野に分類し,更にそれぞれの分野は研究内容に応じて,2つずつの部門から構成されている。各分野の概要◇先端材料学分野◆数理材料学部門 本部門では,材料科学に現れる諸現象を検討し,材料科学における諸問題の解明,解析のための新たな基礎数学理論の構築,数理的手法や高精度数値シミュレーション手法の開発,そしてそれらを用いた材料科学における諸現象の解析を行う。研究においては精度保証付き数値計算を始めとする現代数理科学において発見された新しい手法を材料科学の諸問題に積極的に適用していく。◆新構造材料部門 機械構造材料を対象に,強度特性,耐久性,軽量化,機能性の高度化を追求する。材料力学,弾塑性力学,材料強度学,破壊力学,構造力学,加工学,精密工学などの学問を背景に,マルチスケールで材料の変形や強度特性,破壊現象,機能性を実験及び数値シミュレーションにより評価する。機械構造物における,最適設計,評価技術,加工技術,数値解析について基礎及び応用研究を志向する。◇基盤材料学分野◆基盤金属材料部門 本部門では,社会の持続的発展の鍵を握る様々な金属材料の製造・加工技術の開発とその基礎学理の探求を,主な研究テーマとして取り扱う。具体的な内容は以下の通りである。 ○ 金属材料製造プロセスにおける諸問題,特に環境・資源・エネルギー問題の物理化学的手法に基づいた解決。 ○溶解・凝固・鋳造・塑性加工プロセスにおける,ミクロ組織制御による材料の機械的性質の飛躍的向上。◆基礎材料物性部門 材料の基礎物性に関して,主として微視的視点に立った基礎的研究を行うことを目的として,量子力学,固体物理,結晶学,統計力学,X線分光などを専門とする教員で構成されている。具体的には,人工量子系による量子物性と量子情報の融合理論開発,低次元材料の原子レベル構造解析と電子状態観察に基づいた新規物性開拓,量子化学計算に基づく物性解析,シンクトロトン放射光を用いた先端分析,回折結晶学的手法,分子動力学等の計算手法,およびトポロジーに基づく数理科学的手法を用いた原子配列に関する研究などが進められている。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文3. コア科目 推奨科目4. 専攻別案内数学応数機械・航空電子物理表現工学材料科学情報・通信5.共通科目6.その他の科目7. 先取り履修8. 後取り履修9. 実体情報学 コース10. 数物系科学 コース要項13. 教職免許11. PEP卓越大学院 プログラム12. 技術経営リーダー 専修コースⅠ 基幹理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内14. 成績の表示15. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る 材料科学専攻
元のページ ../index.html#69