19建築学専攻では,2007年度から日本技術者教育認定機構(JABEE)の修士課程プログラムの認定基準に対応する教育内容へとカリキュラムを発展させてきた。建築学専攻は,建築史・建築計画・都市計画の研究指導を行う建築芸術分野と,環境工学・建築構造・建築生産の研究指導を行う建築工学分野からなる。博士後期課程においては,その専門領域研究者として独立して研究する能力を養成することを共通の目的としているが,修士課程における教育目標は,分野によりまた領域により特質をもつ。建築芸術分野は,建築の変革と創造の理論を歴史的に考究する建築史,建築における現代の創造そのものを命題とする建築設計・計画,建築の集合としての都市に視点をあてる都市計画の,それぞれが各々の命題と研究方法の独自性を持ちつつ,修士課程においては,専門的深化に閉ざされず,建築に対する計画者としての広い視野と高い見識の養成を等しく目標としているのが特質である。修士論文,修士設計において,互いに関連し合う計画系一般としての主題が許容されているのは,この反映である。建築工学分野は,それぞれ独自の性格をもつ。環境工学は,建築・都市における快適で健康な環境と建築設備システムの計画法,火災・水害等の建築災害の理論化と防災計画・技術の開発,脱炭素社会に向けた省エネルギー技術や環境影響評価・合意形成技術等のソフト技術の開発と計画論に取り組んでいる。建築構造では,構造材料,耐震構造,弾塑性力学,曲面構造,地盤・基礎工学,振動工学,構造制御,制震(振)構造,免震構造など,建築構造の基礎から構造設計への応用に亘る広い範囲の専門的科学技術を学ぶ。建築生産では,建築材料における新技術応用としての新素材の特性と用法,建築構造法各種の異なる目的に対応した建築構法やディテールの開発,建築生産システムと施工管理技術の開発などの実務に直結した課題に取り組む。建築学専攻では,我が国の自然環境や歴史,風土とも共生し,世界に誇れる建築文化を確立するために,豊かな生活環境を築き社会に提供していく立場から,世界の多様な地域に固有の伝統と文化に根ざす,広義の「建築デザイン」を実践する技術者の育成を目指している。修士課程芸術分野修了時点では,建築・都市デザインに関する深い知識に基づき,自ら課題を発見・分析し,実践的に解決することで,国際的なフィールドでリーダーシップを発揮できる技術者の育成を目指す。また,修士課程工学分野修了時点では建築・都市のデザイン,芸術,歴史に関する基礎的な知識に加え,エンジニアリングに関する深い知識に基づいて,自ら課題を発見・分析し,実践的に解決することで,国際的なフィールドでリーダーシップを発揮できる技術者の育成を目指す。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文3. コア科目 推奨科目4. 専攻別案内建築経営システム総合機械5. 共通科目6.その他の科目7. 先取り履修8. 後取り履修9. ユニット制度10. 専修コース 制度11. 実体情報学 コース12. 数物系科学 コース要項13. PEP卓越大学院 プログラム14. 教職免許15. 成績の表示建設地球資源経営デザインⅠ 創造理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内16. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る4 各専攻の学科目配当表建築学専攻が目指す技術者像建築学専攻
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