創造理工学研究科要項2025
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21従って,工学技術からファインアートまで,あるいは自然科学から人文科学までの分野が相互に関連し合う。建築学の基礎的学習とともに,大学院における高度な理論的=実践的探究が建築史学的方法によって遂行される根拠は,建築の本質である多様性と総合性が人間生活に立脚し,歴史的に形成されていることにある。◆建築計画(建築芸術分野)建築設計者の視点に立って,計画の理念や方法を学ぶ一方,国内外の建築家についての作家論を展開したり,建築の利用者の立場から,施設の使われ方の調査を行い設計にフィードバックする方法などを探る。具体的には,文献研究,調査研究さらに実際の設計制作を通して各自の建築の考え方を築くとともに,論文発表や設計競技への参加,指導教員のもとないしは学外での実務訓練(インターンシップ)により技術と創造性を高め,広く社会の中から問題を発見して,それに対して創造的な提案をもって応える能力を培う。◆都市計画(建築芸術分野)早稲田の都市計画は先鋭的に都市への提案を試みた建築・都市計画家である武基雄と吉阪隆正によって1966年に創設された。以来,戸沼幸市が受け継ぎ人間尺度に基礎を置きながら,地球大の視野から,人間居住の場としての集落・都市の未来像を追求し,社会へ提案し続けている。調査・研究・計画の対象地は日本を越えて広くアジア地域へ及んでいるが,いずれの場合も現地での研究・実習を原則としている。修了者は十数ヶ国からの留学生とともに,多くの博士学位取得者を含む三百余名にのぼり,国境を越えて各方面で活躍している。現在開設されている3つの研究室は相互に連携をとりながら活動しているが,都市設計・計画論,都市景観設計,住環境・居住地設計,まちづくり・都市再生,制度技術論,都市計画史,都市・地域振興計画等を主要課題として研究に取り組んでいる。◆環境工学(建築工学分野)環境工学は,建築や都市の空間を,人間の生活や活動の場として成り立たせるための技術・計画手法・システムを対象とする分野である。SDGs(Sustainable Development Goals)の達成を建築分野から推進する。早稲田建築では,大隈講堂等に利用された音響設計等に始まり,空調設計,建築設備の基礎理論,都市環境などを通じて長い伝統を持ち,現在では,快適で健康な空間を作るための温熱空気環境の制御,環境調整のためのエネルギー・インフラの構築,複雑化・巨大化する都市や建築の安全性の確保をはじめ,居住空間のためのエネルギーや建築資源の消費が都市・地球環境の荒廃を招く悪循環の防止など,取り組んでいる課題は住宅レベルから都市レベルまで多岐にわたる。研究は,対象となる環境現象の計測・予測(建築・都市の温熱環境,火災・水害,人間行動),都市・建築の実態調査,高度建築設備システム,省エネルギー,再生可能資源・エネルギーの活用システムの開発,脱炭素化技術,安全性の向上や建築の新しい可能性を開く環境・防災技術の開発などのハードから,人間の心理・生理評価を含む環境分析・評価,合意形成技術などのソフトに及び,環境から見た建築・都市の計画論の確立を目指している。◆建築構造(建築工学分野)建築構造は,建物の安全・快適性に密接に係わる技術であり,安全・快適な建築を実現していくうえでの諸課題をさまざまな視点から研究・考察している。近年,「建築構造」として分類される学問分野は非常に多岐に亘っている。従って,修士課程において学んでおくべきことも数多い。研究テーマとしても,1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文3. コア科目 推奨科目4. 専攻別案内建築経営システム総合機械5. 共通科目6.その他の科目7. 先取り履修8. 後取り履修9. ユニット制度10. 専修コース 制度11. 実体情報学 コース12. 数物系科学 コース要項13. PEP卓越大学院 プログラム14. 教職免許15. 成績の表示建設地球資源経営デザインⅠ  創造理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内16. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る

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