42建設工学専攻は,直接・間接に安全な人間の生活基盤をつくり,かつそれを維持向上するという使命を担っている。そのため,この分野の研究者・技術者には,自然災害や社会環境に関わる幅広い知識と工学的な判断力が要求されている。本専攻では,高度な技術とすぐれた人間性とを兼ね備えた人材を養成することを目指して教育・研究を行っている。この分野は大きくは社会基盤,環境・防災,計画・マネジメントの各部門に分けられ,それぞれがかなり異質の内容を含んでいる。そこで,学生は自分の志望と適性をよく考え,部門ならびにその中のどの研究を選ぶのかを慎重に判断する必要がある。各部門の概要◆社会基盤部門社会基盤部門では,建設工学専攻で対象とする各種構造物に関わる諸問題について,理論的ならびに実験的研究を行っている。構造力学研究では,主として鋼橋,鋼構造物を対象に,耐荷力の評価法,耐震設計法に関する研究,新材料の適用に関する研究,維持管理に関する研究などを行っている。構造工学研究では,土木構造物のうち,とくに,都市部におけるトンネルなどの地下構造物を対象とした設計および施工に関する工学的諸問題に関する研究や地下空間の有効利用に関する研究を行っている。構造設計研究では,複合構造物を対象に,力学的視点に立った材料のマテリアルデザイン,構造物のライフタイムデザイン,設計と維持管理に関わるシステムデザインに関する研究を行っている。コンクリート工学研究では,コンクリート構造物を対象としてコンクリート部材の力学的挙動や設計法,コンクリートの基礎的物性や耐久性などに関して研究を行っている。以上は相互に関連があり,さらには他部門まで含めて共同して研究を進める場合もある。◆環境・防災部門環境・防災部門では,水圏と地圏における環境と防災に関わる諸問題について,理論,数値解析ならびに実験・観測などを通して研究を行っている。河川工学研究では,水理学・水文学を基礎として,流砂機構ならびに河道が変動するメカニズムを力学的に解き明かし,これを河道再生に活かしていくための研究を行っているほか,豪雨に対する都市の浸水危険性評価ならびにそのリアルタイム予報に関する研究などを行っている。海岸工学研究では,海岸・海洋工学,水工学を学問枠組として,現地調査,数値予測,水理実験,社会調査を方法として用い,日本及び世界各国の沿岸域の防災・環境に関する研究を行っている。水環境工学研究では,資源循環と水環境の修復法,用排水の高度処理・再利用,バイオバリアーによる環境保全と水質シミュレーション等について研究を行っている。地盤工学研究では,地盤工学をベースに原子力災害や降雨等による自然災害の軽減と,脱炭素や放射性廃棄物処分など未来社会への環境負荷の抑制に貢献するための実務的な研究と技術開発を行う.また,その基礎となる土・地盤の物理化学的特性と透水および力学特性に関する深遠な現象の探求と解明も行う。土質力学研究では,土の静的および動的力学特性の解明とモデル化をベースに,土構造物の挙動メカニズムの解明やその予測法の高度化と設計法の開発に取り組んでおり,特に液状化対策を含む新たな地盤改良技術とその設計法の開発,河川堤防の豪雨や洪水時の安定性と維持管理に関する研究を行っている。1. 履修方法・修了 要件・学位2. 学位論文3. コア科目 推奨科目7. 先取り履修8. 後取り履修9. ユニット制度10. 専修コース 制度6.その他の科目5. 共通科目4. 専攻別案内建築経営デザイン総合機械経営システム建設地球資源14. 教職免許15. 成績の表示11. 実体情報学 コース12. 数物系科学 コース要項13. PEP卓越大学院 プログラムⅠ 創造理工学研究科 についてⅡ 学修案内Ⅲ その他案内16. 不正行為・非違行為に 対する懲戒処分目次に戻る建設工学専攻
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